miracle☆orion

好きなものを好きだと言いたい。

映画『キセキ―あの日のソビト―』が大好きですという話

2018年8月18日、日野市で行われた『キセキ―あの日のソビト―』の応援上映会に参加してきました。
大好きな映画をもう一度スクリーンで、しかもロケ地で観られるという贅沢…!
改めてこの映画が大好きだなぁと実感したので、余韻に浸りつつ、好きなポイントを自分なりに言葉にしてみよう!と思い立ちました。
ネタバレはしていないつもりです。

そもそもわたしは、年に数回しか映画館に行かない人間でした。
俳優さんにもあまり詳しくなくて、主演のお二人も顔と名前は知っているけれど、出演作はすぐに出てこないくらい。
そしてGReeeeNの曲も愛唄、キセキ、weeeekしか知らない状態でした。
そんなわたしが何故キセキを観たのかというと、「ハッピーエンドが保証されている恋愛モノではない映画が観たい」という当時の自分の気分にぴったり合いそうだったからです。
観終わった瞬間、「何これ…すっごい好き…!!」と大興奮し、気付けば翌週も映画館で同じ映画を観ていたのでした。
そこから松坂桃李くん・菅田将暉くんの出演作品を追うようになり、GReeeeNの曲を片っ端から聴いてライブにも行き、キセキのロケ地やGReeeeNゆかりの郡山にも足を運ぶようになりました。
とにかくキセキに関する全てのものが大好きになってしまったのです。

あらすじとしては、兄のジン(松坂桃李)と弟のヒデ(菅田将暉)が、挫折したり悩んだりしながら大好きな音楽の道を進み、キセキをヒットさせるまでのお話です。
ヒデはGReeeeN(作中ではグリーンボーイズ)のリーダーであり、同時に歯医者という夢も追っています。

1.音楽がすごい

音楽メインの映画なので、音楽に一切妥協していない姿勢が素晴らしいです。
ジンが率いるメタルバンド「ハイスピード」の楽曲がとにかく格好いい。
桃李くんは歌への苦手意識があるそうなのですが、そんなことは微塵も感じさせない堂々たるパフォーマンスです。
CDとしてはリリースされていないのですが、DVD豪華版の特典として2曲ともフルで収録されています。
歌詞からジンの本音が垣間見えるのもとても良いです。
格好良くて少しキケンなハイスピードとは対照的に、グリーンボーイズはとにかく元気に音楽を楽しんでいる姿が素敵です。
GReeeeNのボーカル音源を流すのではなく、俳優さんが自ら歌うことで自然に仕上がっています。
菅田くんとHIDEさんの声質はかなり異なるのですが、音楽を楽しむ、想いを真っ直ぐ伝えるという芯の部分をしっかり表現していると思います。
映画全体の音楽もGReeeeNが担当しているのですが、歌うシーン以外は自分たちの既存の楽曲を使っていないんですよね。
主張しすぎない美しいBGMが、映画の優しい空気に合っていてとても良いです。

2.王道ストーリーと細やかな情景描写に感情移入しやすい

ストーリーがとにかく王道でシンプル。
だけど飽きずに何度も観てしまうのは、情景描写や背景がすごく丁寧に作り込まれているからだと思います。
急な坂道の階段や薄暗いアーケードなど象徴的な場所が、登場人物の心情を表現するために効果的に使われているのが面白いです。
台詞があまり多くない(特にジンは無言で思い悩んでいることが多い)し、モノローグがないのも特徴的だと思います。
人物の心情を表情や情景から想像するため、必然的に観客は自分の心情を重ね合わせることになります。
現在進行形で将来のことを悩んでいる人にも、かつてそんな時代があった人にも刺さる作品です。

3.魅力的な登場人物たちのリアルな存在感

メイキングで監督がおっしゃっていたのですが、登場人物の履歴書を俳優さんに渡して、エチュード(即興芝居)をしてもらった箇所が結構あるそうです。
そのためなのか、空気感がとてもリアル。
特にわたしが面白いと思っているのは、クニ(成田凌)の近くにいつも居る女の子の存在です。
彼女には役名すらないし、メインストーリーには絡んでこない。
でもクニに恋していることは一目瞭然なんです。
本筋には関係ないけれど、「彼らの通っている大学には、クニに恋している女の子が居る」んですよ。
画面には映っていないところにも物語が広がっていることを感じさせてくれる、彼女はそういう存在なのだと思います。
魅力的といえば、ジンとヒデのお母さんがとても可愛らしくて素敵です。
父親がとても怖いため、家の中のシーンは緊迫しがちなのですが、お母さんの愛らしさがふんわり和らげてくれる。
でもただの天然ではなく、ちゃんと窘めたり、家族が弱っている時はそっと支えてくれる頼もしいお母さんです。

4.俳優さんがすごい

2017年~2018年現在、主演の二人は以前にも増して目ざましい活躍をしています。
その皮切りとも言える作品がキセキであることは、とても喜ばしいことだと思います。
桃李くんは『彼女がその名を知らない鳥たち』『娼年』などでセクシーな演技を見せていますが、『キセキ』の彼も負けないくらい色っぽいです。
とてもさわやかで健全な映画なのに、一人だけ何故かとてもセクシー。
寡黙な男の色気でしょうか…。
菅田くんは『帝一の國』『あゝ、荒野』などで個性の強い演技をしていますが、『キセキ』では等身大の青年をとてもナチュラルに演じています。
そのギャップもすごいし、普通のように見えるけれど決して普通ではない独特な雰囲気を出せるのも、菅田くんならではだと思います。
「王子」と呼ばれているnaviさんのイメージにぴったりで歌声も綺麗な横浜流星くん、優等生グループになってしまいそうな中でアクセントになっているクニを演じる成田凌くん、どこか危なっかしくて目で追いたくなるソウを演じる杉野遥亮くん…みんな素敵すぎます。

5.GReeeeNがすごい

いつの時代も10代に支持されているGReeeeNをモデルにしているからこそ、こんなにさわやかで真っ直ぐで気持ちの良いストーリーが生まれたのだと思います。
この映画は一応「実話を元にしたストーリー」とは銘打っているのですが、GReeeeNの実話を元にした小説「それってキセキ」を読むと、様々な経緯が全く異なっているんですよね。
こちらもすごく面白いのですが、かなり特殊な話になってしまうので、映画は敢えて分かりやすく共感できるストーリーにしたのかなと思います。
でも小説に寄せた方の物語の実写も、映画キャストのままで観たいな~…なんて思ってしまいます。
小説版のHIDEさんのキャラも、すごく菅田くんに合うと思うので…!

こんな拙い文章でキセキの魅力が伝わるのかは分かりませんが、好きなものについて書くのは楽しいですね。
とにかくわたしはキセキが大好き!出会えてよかった!!ありがとう!!!といつも思っています。
まだの方は是非ご覧ください~!