miracle☆orion

好きなものを好きだと言いたい。

チョコフォンデュ・ディスコ(ジョー・力一バレンタインボイス2020感想)

バレンタイン2020はビターな話だと聞いて身構えていたので、トラック1・2を聴いて、「あれ?何やら普通に嬉しそうだぞ?買うの間違えた??」と思いました。
その謎は最後まで聴くと解ける訳ですが(毎度ながらこの構成面白い)。
 
ファンへの愛をチョコファウンテンに喩えるって、すごく上手いな~!!
誰かと分け合うことを前提としたチョコファウンテン。
どんな具材を選ぶか、どれだけ食べるかは「あなたたち」次第。
きっと力一さんのチョコファウンテンは、枯れることなく無限に沸き続けるのでしょう。
「飲み干せるものなら、飲み干してごらん?」という挑発も含まれていそうな声色。
独り占めしようとしてしんどくなるより、みんなでチョコファウンテンを楽しんだ方が良いんじゃない?それが「あなた」にとって幸せな状態なのでは?というのが、力一さんなりの答えなのでしょう。
トラック1・2から感じ取れる「嬉しい」という気持ちは、決して嘘ではないんですよね。
「嬉しいけれど困る」のが偽りない本音な訳で。
チョコレート売りのピエロとしてなら、適当な嘘口上をペラペラと言えるけれど、相手が「愛しているファンの一人」であるから、適当にあしらいたくないし、傷つけたくない。
「恋し続ける勇気」を称えて、誠実に向き合ってくれた結果。
ファンを振る形のストーリーなのに、逆説的にファンへの愛情表明になっているのが、ちょっと捩じくれていて面白いですね。
そのため、思っていたより苦味は感じなかった。
まぁ力一さん的にビターなものをお出ししたつもりなのに、こっちが勝手に「ありがとうりきちゃん!わたしも愛してるよ!!」と思ってしまうの、力一さん的には怪異かもしれない……それでも我々ファンはチョコファウンテンの海で泳ぎ続けるのだ。
 
今回の「あなた」について深堀りしようとすると、チョコファウンテンに頭から突っ込んで「もっとちょうだい…?」と笑うやべぇ奴が浮かんでしまうので……考えないことにしましょうね……。
 
でも直接「ファン」に語りかけてる感は、やっぱり夏まつりの方が強いんだよな~と思い、色々考えてみたんですが……トラック3~5が実際の出来事、トラック6だけ力一さんが作り出した夢の世界という解釈もあるような気がしてきました。
上手く断れなかったことを引きずっていた力一さんが、夢の中で彼女に「答え」を伝える……彼女を探し出してもう一度会うより、その方が力一さんっぽいかなぁと……。
 
「あなた」はきっと、後悔していたと思うんですよね。
偶然力一さんの行動圏を知ってしまった。
素顔を知ってしまった。
何度か後をつけてしまった。
これ以上はいけないと思いながら、どうしても抑えきれずに接触して……困らせてしまった。
もう力一さんを好きで居る資格なんかない……と思いながらも、配信があるとやっぱり観てしまう。
配信の中で力一さんは、リスナーからの恋愛相談に応えている。
いつもより真面目なトーンで話す彼の言葉は……「わたし」にも向けられているのだと思うのは、図々しすぎるだろうか。
片想いは自分の中にしかない。
「わたし」が手放したら、消えてなくなってしまう。
だったら……もう少し大事にしていても良いのかな?
「わたし」にとっての幸せは、りきちゃんを追いかけることだから。
そんな彼女が夢の中でチョコファウンテンを振舞ってもらったのだとしたら……ちょっとは報われますよね。
よかった、チョコを飲み干すやべぇ「あなた」は居なかったんだ……。