miracle☆orion

好きなものを好きだと言いたい。

チョコと一緒に語彙が溶けてゆく(ジョー・力一バレンタインボイス2021感想)

前回の記事を書いた後、バレンタインボイス2021にヒモ設定が収録されていることを知り、次は君に決めた!!!!!!!となりました。
しかも異なる4種の設定のアソート。
1つの世界にどっぷり浸るのも良いですが(死体埋めのようなディープなテーマだと特に)、変幻自在な力一さんを味わえるのも良いですね!
そんな訳で以下はネタバレ感想です。
 
トラック1は4キャラ分の「ハッピーバレンタイン」。
同じ台詞なのに、4人のニュアンスの違いの出し方がとても上手い。
全くの別人ならまだしも、クール系2人と陽気な2人がそれぞれ似ているので、微妙な演じ分けが難しそうなのに、ちゃんと4人存在している。
シニカルな中に大人の優しさが滲む教師、生真面目さの中に情熱的な愛情が潜む執事、チャラくて駄目な奴だけど「あなた」への愛情は伝わってくるヒモ、そしてナチュラルなピエロ力一さん。
 
まずファンからの「女の子を振ってほしい」という要望を、教師と生徒という関係性に落とし込んでいるのが上手いですね。
なるほど、そう来たかー!!!!!
手酷くされたい気持ちも分かるけれど、そういうのは聴きたくない人も居る訳で。
ヒモにしても、モラハラ的な要素を入れずに仕上げている辺り、匙加減が上手い。
女を殴らなそうな、時々ジュース買ってくれそうなヒモ。
これ聴いても好感度が下がりませんもんね。
その絶妙なバランス感覚は、身軽に曲芸をこなすピエロそのもの(ご本人は「そういうの何も出来ない」とおっしゃっているけれど)
 
そして三者三様の魅力的な演技を見せた後で、とびきりチャーミングなシンプルリキチャンをお出ししてくるものだから、「そのままのリキチャンが一番だよ!!!!!!!好き!!!!!!!!!!」って思わせる構成になってますよね……これが計算なのか、こちらが勝手にそう感じてしまうだけなのか、判断に迷うんですけれども…………。
他のキャラがしっかり作り込まれ、個性的な味付けがされているお陰で、シンプルリキチャンの素材の良さが際立っている。
個人的には今まで力一さんのことを可愛いとは思っていなかったのですが、このボイスを聴いて「この人ってこんなに可愛らしい人だったんだ……」と“気づき”を得てしまった。
ほろ苦い先生との恋や、乙女ゲー的な執事ワールドや、現実ではご遠慮したいヒモくんとの生活と一緒にコレをお出しされることで、じわりと滲む可愛らしさを堪能出来る。
凝ったスイーツ3つに新鮮なフルーツが添えられた、デザートプレートのようなボイスセット。
これはまさにバレンタインですわ……。
 
そんな設定と構成の大勝利に加えて、表情がありありと浮かぶ声の演技。
本命チョコであることを告げられた先生の困り顔も、無表情だった執事が頬を微かに染めるところも、しっかりと伝わってくる。
ヒモくんもシンプルリキチャンも終始ご機嫌なのは一緒なのに、ヒモくんはへらへら笑いで、リキチャンはにこにこなんですよね。
 
個人的に先生に関しては、色々とバックグラウンドを想像したくなります。
自分のことを不真面目な教師だと思っていそうだけれど、めちゃくちゃ生徒思いな先生。
プライベートではもっと雑な話し方になるし、男友達との飲み会で「生徒からバレンタインチョコもらっちゃってさー」と話題にすることもあるでしょう。
でも「付き合っちゃえよー」とか言われても悪ノリすることなく、「付き合わねーよ、大事な教え子なんだから」とマジレスしちゃうタイプ。
「きみ」が大人になって同窓会で再会して、「先生にバレンタインチョコあげたの、覚えてますか?」と聞いたら、本気で忘れていた顔をした後、「あー!そんなこともあったなぁ。きみくらいだったよ、俺にチョコをくれた物好きな生徒なんて」と懐かしそうに笑ってくれるけど、その手には指輪があるし、スマホの待ち受け画面は子供の写真。
そんなイメージです(妄想)。
「没収しっぱなしには出来ないよ。きみが思ってるより、大事なものだから。」って、めちゃくちゃ良い台詞ですよね。
もう良い大人なのに、この台詞を聴いた瞬間、JKになってしまう。
「大人ってずるい!!」とハンカチを噛んでしまう。
先生は決してずるくなくて、誠実に向き合ってくれた結果なんですけれどもね……でも、そんなの言われたらますます好きになっちゃうからね……ずるいよね……!
この先生のキャラが似合いすぎているのに、「シンプルおれ」としてお出しされるのがアレなんだもんな……大人の色気と子供の無邪気さが矛盾なく共存しているのも、力一さんの魅力なのだと思い知らされました。
 
あとヒモくんが「試行錯誤」だの「迅速に方向転換」だの言ってる感じ、普段は「いつかおれすげーことやろうと思ってんだー」みたいに語ってそうだなぁと思いました。
彼女から睨まれるまで、本当に後片付け押し付けて寝ようとしていただろうしね。
そうやって彼女はヒモくんをしっかり躾けている気でいそうだけど、きっとある日突然消えるよね……。
 
そんな訳でやっぱり感想なのか妄想なのか分からなくなってしまいましたが、書き残しておきます。
言葉にならない悶えを無理やり言語化しているので、語彙が溶けかけているのは重々承知です。
 
そして上記の感想を書き終えた後、ボイス紹介動画の存在を知りました。
次は何にしようか迷っていたので助かる…!!
この解説のお陰で分かりましたが、バレンタインのシンプルリキチャンの可愛さは、特に計算していないようですね……死体埋めから入ってしまったお陰で、シンプルリキチャンボイスと出会うのが初めてだったので、免疫がなかったのでしょう……。
そして先生はずるくないけれど、それを書いた力一さんは普通にずるかった。
すけべver.の先生が聴けたのは、ある意味美味しかったです。
死体埋めのシャワーのくだりも、すけべ解釈で合っていたようで安心しました(?)
個人的には死体埋めボイスのことを劇薬だと思っていたのですが、公式の劇薬は他に存在していたのですね……。
ご本人もちょうど「3番目くらいに聴いてほしい」とおっしゃっていることですし、次は夏まつり2019ですかね。
学園祭2019やクリスマス2019やアウトドア2021辺りは普通に自分が好きそうなシチュエーションだし、問題作と言われるバレンタイン2020やお月見2020も興味津々だし、恐らくあめもよう2020も刺さるだろうし、コンセプトボイスも自分の願望を叶えてくれそうだし、力一さんが脚本・演出までやっているというならギャングスターも気になるし、勿論個人ボイス集は外せないし……。
聴く順番によっても印象が変わりそうなので、楽しみながら選ぼうと思います。
 
あとこちらの動画もボイスの内容考えるやつなのかな!?と思って再生したら、全然違ったんですが……笑
自分の声で遊んで大笑いしてる力一さん、大変良かったです。
車内で聴いても「うるせーwwww」と思ったので、イヤホンで聴いたら大変なことになりそう……まさにウケ狙いの悪夢。
この器用さを悪ふざけに使うとこうなり、真面目に使うと逆夢のボイスパーカッションになる訳ですねぇ……武器が強すぎる。好きです(小声)